院長コラム顎関節症

顎が外れるのを繰り返す理由

「顎が外れる」と一般的に言われている状態を

「顎関節脱臼」と言います。

普通に日常生活を送っていれば、顎が外れるということはまずありません。

激しい運動をしている時や事故で顎をぶつけるなどの激しい衝撃が原因で

外れることが多いようです。

その次に、あくびやくしゃみで大きく口を開け過ぎた時に

外れることもあります。

自分で戻せる程度の不完全脱臼と、自分で戻すことのできない完全脱臼に

分けることが出来ます。

脱臼は時間が経てば経つほど戻すのが難しくなるので、

放置せずにすぐに戻すようにしましょう。

自分で戻せない時には医療機関で戻してもらう必要があります。

 

顎が外れると口を閉じることが出来ずに、

嚥下(吞み込み)や発音に支障をきたします。

唾液を上手に飲み込むこともできないので

口からこぼれてしまうことになります。

 

顎関節脱臼は、通常は外れた顎を戻して(整復といいます)

一定期間再発がなければそのまま脱臼しなくなります。

 

その一方で、何度も繰り返し顎が外れてしまう人がいます。

顎が外れるのを繰り返してしまう場合は、

「習慣性額関節脱臼」が考えられます。

こうなってしまうと、大きな口を開けて

あくびやくしゃみをしたり、

硬くて大きなものをかんだりすると,

すぐに顎が外れてしまうようになるのです。

顎が外れるのが習慣化してくると

すぐに自分で戻せるようになりますが、

それをずっと繰り返していると

徐々に自分で戻せなくなってしまうこともあります。

習慣的に顎が外れるようになった場合は、

放置しないことが大切です。

 

習慣性顎関節脱臼になりやすい主な原因として次のような点が挙げられます。

・歯並びが悪い

・歯の欠損が多い(特に奥歯)

・顎まわりの靭帯がゆるんでいる

・脳血管疾患・パーキンソン病の治療薬の副作用

 

これらの原因は、最初に顎が外れた時の衝撃が大きかったことで、

あわせて起きることもあります。

歯並びの悪さ、歯の欠損があるのならば、

そちらを改善する必要があります。

治療薬の副作用が原因となっているようならば、

薬を変更したり、服用する量を減らしたり等の対応が必要となります。

 

歯に関することは歯科医や口腔外科で診てもらうことになりますが、

歯並びなどを治しても顎が外れやすいままだったり、

痛みや違和感が残ったままのケースもあります。

そのような場合は、別のアプローチを検討してみることも

必要かも知れません。

 

歯科系の治療と並行して、顎関節の整体での施術を受けることで、

なかなか改善しなかった「顎が外れやすい」悩みを

軽減できる可能性があります。