産後の骨盤がぐらぐらして痛む原因
産後の骨盤ぐらぐら放置は痛みのもと
産後の代表的なトラブルのひとつに、
骨盤がぐらぐらするという症状があります。
骨盤がぐらぐらしていると歩いたり、立ち上がったり、
しゃがんだり…といった動作で
力が入らなかったり、動きづらかったり、
違和感や痛みが出たりします。
赤ちゃんは、帝王切開でなければ骨盤の間を通って生まれてきます。
生まれる時に赤ちゃんが産道を通ることがでるように、
妊娠中は徐々に骨盤が広がっています。
出産時にはさらに広がることになります。
骨盤が広がると言いますが、実際には骨は固くて
伸縮するモノではありませんから、
骨自体は変形はしません。
骨盤は一つの骨で出来ているわけではありません。
腸骨、恥骨、座骨、仙骨などいくつかの骨から成り立っていて、
靭帯がそれらを結びつけて骨盤の形を保っています。
筋肉もまた、骨を支える役割を担っています。
出産時には、骨と骨とを繋いでいる靭帯や筋肉が緩くなり、
骨盤が緩みやすくなり赤ちゃんが通れる道を骨盤の中に作るのです。
よく骨盤は家に例えて、体の土台部分と言われます。
これが緩くなってしまっているという事は、
土台がグチャグチャで安定せず、
身体をうまく支えることができないという事になります。
出産時に広がった骨盤は、どうなるのでしょう
個人差がありますが、通常2~3か月かけて
靭帯や筋肉が縮み元に戻ると言われています。
靭帯や筋肉が緩んでいる状態で動こうとすると、
形の整っていない骨盤のためぐらつきます。
そうなると、ぐらつくのを支えようとした筋肉へ負担がかかります。
それを庇うために他の部分にも負担がかかり…
とあちこちに負荷がかかることで、股関節や腰、膝などに
痛みが発生することがあるのです。
「産後しばらくは安静にすべき」と言われるのは、
赤ちゃんのお世話は腰に負担がかかる内容のものも多いので、
このことも理由のひとつでしょう。
このように、産後すぐの骨盤のゆるみは
当たり前のことではありますが、
回復が遅いと感じたり、日常生活で不都合を感じるのなら、
自然に戻るのを待つのではなく、
その手助けをすることも大切です。
骨盤がぐらつくけれど、特に痛みはないからと、
家事や育児に動き回るとあちこちに負荷がかかり、
痛みとなってしまう可能性もあります。
痛みを抱えながらの赤ちゃんのお世話は大変です。
産後はなにかと余裕がなくなってしまいますが、
長引く骨盤のぐらつきは放置せずに対策を打つことをお勧めします。