交通事故によるむち打ち症が治りにくい理由
交通事故によるむち打ち症が治りにくい理由
「交通事故でのむち打ちはなぜ治りにくいのか」
むち打ち症とは、医学的な傷病名ではありません。
定義は難しいと言われていますが、
一般的には首から背骨にかけての
一種の神経症状だとされています。
むち打ち症は多くの場合は「頚椎捻挫」だと言われます。
他に「頚椎挫傷」「頚椎看板ヘルニア」
「頚椎症性神経根症」「脊髄損傷」などの場合もあります。
症状としては、首の痛み、肩こり、頭痛、めまい、
体の一部のしびれ、力が入らないなどがあります。
重症なケースだと言える脊髄損傷の場合は、
歩行障害や知覚障害がでます。
むち打ち症状は首や背中の筋や腱が
損傷することによっておこるので、
レントゲン撮影で異常が見つからないケースも多いです。
交通事故は、予測できるものではありません。
予想外に発生するものです。
ですから、受け身などもきちんととることができず、
普段は傷めない箇所を痛める場合もあります。
また、スピードが出ている自動車・バイク・自転車などと
衝突するため、大きな衝撃がかかることになります。
通常では考えられない大きな負荷が
首や背骨にかかるのですから、
損傷の度合いも大きくなりやすいと考えられます。
事故直後に痛みや不調を感じず、
数日後に症状が出てくるケースも多くあります。
治療開始の遅れが、治りの遅れの要因と
なる場合もあるでしょう。
また、ストレスも影響してきます。
事故にあったせいでむち打ち症になったと、
被害者意識がでたり、首のなどの不調ばかりを意識して、
不調を気にして引きこもりがちになってしまうと
ストレスが溜まり、治りに影響が出ることも考えられます。
さらに、むち打ち症となった後、
残念ながら後遺症が残るケースもあります。
きちんと治療に通っていても完治しないこともありますし、
患者様の事情で治療の途中で中断してしまったことで,
症状がいつまでも残ってしまうこともあります。
症状としては、首、肩や背中の痛みや凝り、
頭痛、めまい、耳鳴りなどがあります。
こういった後遺症が残ってしまうと、
治ったとは言えません。
首やそれにつながる背中で頭を支えるのには、
筋力も必要です。
事故後の痛みがある期間に安静にしていることで、
筋力がおち、重たい頭を支えることが難しくなってしまうために、
不調が出てしまうことも考えられます。
このように、
・交通事故で普通ではありえない予測不能で
大きな衝撃を受けること
・事故直後には症状が現れず、
治療開始が遅れる場合があること
・精神的ダメージでストレスがかかりやすいこと
・後遺症が残ることがあること
等が交通事故でのむち打ち症が治りにくいとされる
原因の一部だと言えるでしょう。