めまい院長コラム

起き上がり、寝起きとめまいの関係

 起き上がり、寝起きとめまいの関係

 

「起き上がりや寝起きのめまい、原因と予防方法は?」

朝、目覚めて起きたらめまいがする、

寝起きにトイレに行こうと起き上がったらめまいがする、

などの症状は「良性発作性頭位めまい症」という病気です。

 

耳が原因で起こるめまいの症状で、

特に中高年以降の女性に多く見られます。

頭を動かしたときに、目がぐるぐるまわるような

回転性のめまいを感じるのが特徴です。

 

めまいは、数秒から2分くらいで治まりますが、

何度も起こります。

 

これは、内耳にある炭酸カルシウムの結晶

「耳石(じせき)」が外れて三半規管に入りこみ、

それがコロコロと動き回るためにおこります。

耳石はとても小さな粒ですが、耳石の量が増えると、

塊になり、めまいを引き起こす原因になります。

 

治療法は、頭位治療といって、

三半規管にたまっている耳石を移動させます。

たまっている耳石が三半規管から出てしまえば、

めまいは起こらなくなります。

耳石を三半規管にためなければよいということですが、

日常生活でも予防する方法はあります。

まず、同じ向きのまま横向きで寝ないこと。

同じ向きのまま横向きで寝続けていると、

下になる方の耳の耳石が三半規管に入り込み、たまります。

寝ている時も、なるべく寝返りをうって、

耳石が同じところにたまらないようにしましょう。

寝てしまうと寝返りを意識的にするのは難しいかもしれませんが、

寝る前と後に寝床でする「寝返り運動」をおすすめします。

 

まず、左向きに横になり10秒間数えます。

ゆっくりとあおむけになり、10秒間、

次に、右向きに10秒間、

最後に、あおむけで10秒間数えて、1セット完了です。

このセットを出来れば10回くらい行います。

 

このように頭を動かすと、耳石がたまりにくくなります。

 

三半規管と目や足の動きは密接に関係しています。

目や足の訓練で平衡感覚を鍛えることで、

三半規管の機能を高めることができます。

まずは、座ったままできる目の訓練から。

右腕を前に伸ばして人差し指を立て、指を左右に動かします。

その指を頭を動かさずに目で指先を追います。

1日10回程度行います。

次に、足の訓練です。

真っ直ぐに立ち、つま先に反対側の足のかかとをつけて

一直線になるように歩きます。

ふらつきそうなら壁に手をあてて、なるべく真っ直ぐに歩きます。
1分間を1セットに、1日2セットします。

簡単な訓練でめまいを解消することもできます。

是非、試してみてくださいね。