院長コラム頭痛

副鼻腔炎と頭痛

副鼻腔炎と頭痛

「副鼻腔炎は頭痛や他の症状が伴う場合があるので要注意」

蓄膿症という名称の方が一般的でしたが、

現在は症状が出ている期間などで

「急性副鼻腔炎」「慢性副鼻腔炎(蓄膿症)」

という風に区別されています。

 

私たちの眉間から鼻にかけて、鼻の中は「鼻腔」があります。

その周りを囲むように、眉の上辺りや目頭、

頬のあたりに存在しているのが「副鼻腔」です。

副鼻腔には空洞なので、薄い粘膜で覆われており、

線毛によって粘液を鼻腔へ押し出す

働きを持っているのです。

 

細菌やウイルス感染、アレルギー性鼻炎、

花粉症などで正常に押し出すことができなくなった場合、

鼻腔が炎症を起こします。

これにより、鼻腔と副鼻腔をつなぐ穴がふさがり、

粘液が溜まって膿となり、

急性副鼻腔炎となるのです。

 

副鼻腔炎にかかった場合、起こりやすい症状は

「鼻づまり」や「色のついた粘性のある鼻水」、

「痰がからんだ咳」などが挙げられます。

ただ、副鼻腔は鼻腔とつながっている空洞です。

その範囲は鼻だけでなく眉間や目の周り、

おでこ、頬にまで及んでいるので、

広範囲に「痛み」を伴うことがあるのです。

 

副鼻腔内の空洞に溜まった膿(濁った鼻水)を

排出することができなければ、

鼻水や痰がからむといった症状以外に、

頬や頭に痛みを感じるということもあり得ます。

副鼻腔炎なのに頭痛がするの?

と思われるかもしれません。

 

額から頬にかけて左右対称に

ひろがっている副鼻腔は、

顔の半分以上に広がっています。

この部分に炎症が続くということは、

直接頭全体に影響が出るのは当然かもしれません。

特に、下を向いた時にひきつれるように

左右の側頭部が痛くなったり、

後頭部まで痛みを感じるということも起こるのです。

 

副鼻腔炎にかかってから、

早急に診断して抗菌薬で炎症を抑えれば

症状は改善する人がほとんどですが、

3ヶ月以上症状が続く方もいたり、

繰り返し発症する方もいます。

その中のほとんどの人が同時に

「頭痛」を伴っているとも言われています。

常に炎症している状態は、

顔や頭にも負担がかかっていると言えるでしょう。

 

副鼻腔炎を予防することはなかなか難しいですが、

不快な症状を長引かせずに治療することが、

頭痛などの不快な症状を伴わないために重要です。

さらに、日常的に姿勢が悪かったり、

体の左右で歪んでいたりすると、

頭や首が詰まりやすくなり、

副鼻腔炎の症状も重くなるとも言われています。

日頃から、姿勢の矯正やストレッチなども

取り入れておくと慢性的な副鼻腔炎や頭痛も

緩和されていくのではないでしょうか。