院長コラム頭痛

後頭部が痛む頭痛

 後頭部が痛む頭痛

後頭部が傷む頭痛で耐え難い、今まで経験したことがない痛みは

重篤な病気の可能性があるので要注意です

代表例が、くも膜下出血です。

脳動脈瘤の破裂などが原因で起こるもので、

突然激しい頭痛に見舞われるのが特徴です。

脳を覆うくも膜と軟膜の間に血液があふれる病気で、

後頭部をバットで殴られたような痛みがあります。

 

これまでに経験したことがないような頭痛が起きたら、

くも膜下出血の可能性を疑いましょう。

 

出血がひどいと、激しい頭痛とともに嘔吐や痙攣が起きます

意識を失うことも多く、すぐに意識が戻る場合もありますが、

昏睡状態に陥ってそのまま死亡することも少なくありません。

出血量が少ないと、首の付け根が痛くなったり首筋が硬直したりして、

頭痛とは関係ないように見えることもあります。

くも膜下出血は、大量に出血する前に脳動脈瘤から出血していることが多く、

その際にも頭痛が起きているはずです。

 

このように、後頭部が激しい痛みに襲われたら、

急いで救急医療機関にかからないと、

命に関わる可能性があるので注意が必要です。

 

ただし、後頭部が痛む頭痛の中には、

それほど重篤な症状ではないケースもあります。

整体療法で、改善が見込める症状もあります

良く姿勢が悪く、デスクワークや長電話が多い人は、

首の後ろから頭の付け根にかけて急に痛くなることがあります。

 

後頭神経痛もそのひとつで、

大後頭神経痛、小後頭神経痛、大耳介神経痛の3種類があります。

このうち大後頭神経痛と小後頭神経痛が、

後頭部を締め付けることで痛む頭痛ですが、

「耳から後頭部にかけて痛む」

「耳の後ろ側が痛む」といった特徴があります。

大後頭神経、小後頭神経、大耳介神経は

頭を支える首の筋肉の間から出ている神経で、

猫背や長い時間パソコン作業をするなど、

同じ姿勢を続けていると痛みを生じることがあります。

また、ひどい肩凝りがあると同様の痛みを誘発します。

 

後頭部に痛みがあると、くも膜下出血の可能性もあるため心配になりますが、

後頭神経痛は命に関わるような重篤な病気ではなく、

痛みも数日でおさまるケースがほとんどです。

普段から姿勢が悪く、首や肩こりがきつい人は、

この後頭部から首にかけての神経の痛みが考えられます。

 

群発頭痛も後頭部や目の奥に激痛が走る病気です。

毎年決まった時期に起こるのが特徴で、1~3時間くらい痛みが続いたあと収まりますが、

このような症状が1日に数回起こります。

圧倒的に男性に多い病気で、1~2カ月痛みが続きます。

ただし、群発頭痛は痛みはあるものの、命に関わることはありません。

 

このように、後頭部が痛む頭痛には、重篤な病気とそうでない病気があります。